3.作家さ行の最近のブログ記事

2011年9月28日 13:13

久しぶりに映画『ホテル・ニューハンプシャー』を観ました。
原作の著者であるジョン・アーヴィング氏は自作の映画化作品をあまり評価していないと聞いたことがありますが、この映画は出演陣も豪華で、これがなかなかな作品であります。
いずれにしてもこの世界観はアーヴィングならではと、懐かしく思い、数年前に繰り返し読んだ『未亡人の一年』を手にとりました。

「泣かないでルース。ただのエディとママじゃない」
このセリフが登場しただけでおいおいと嗚咽しそうになってしまうほど好きな作品です。
物語を創る人、読んで育つ人、物語を生きる人、さまざまな登場人物がいびつな躍動感をみせます。こういう傷のつき方って、まさにアーヴィング節!という感じです。
人生を七転八倒しながら行き抜く。
いまを生きる多くの日本人に読んでもらいたい作品です。

2011年9月 8日 14:00

面白い小説を読みました。
アメリカのミステリ小説、
ジャック・カーリィ著『ブラッド・ブラザー』です。
『百番目の男』から始まったシリーズも円熟味を増し、
登場人物たちも存在感を増し、
ストーリーはうなるほどの面白さ。
ハマります。
ところで『ブラッド・ブラザー』というこのタイトル。
千原兄弟が95年の夏に全国を回った『はじめGAGIGIG TOUR』を密着取材本と、
奇しくも同じタイトルのようです。
「残念な兄が・・・」というところで主人公ライダーとかなり共通点のありそうな千原ジュニアには、
是非ともこのシリーズを読んでいただきたいものです。
どういうコメントがいただけるか聞いてみたいです。
ハンニバル・レクターに追いつけるか?
今後の活躍が楽しみです。

2011年8月17日 16:19

白洲正子さんは武士のような人だと河合隼雄さんがおっしゃってました。
その著作を読んでいても、スッパリサッパリとした物いいや、
生きざまがカッコいいなぁと感じます。
女性とか男性とかいう枠を超えて、大きな器という感じですね。

明恵上人の生きた鎌倉時代というのは伝来仏教を基調とした新興宗教が多くうまれた時代。
そんなただでさえカラフルな時代にあってなお、
明恵上人の存在とその夢のお話は異彩をはなっているような気がします。
十九歳のころから入寂する二年前までの四十年間に見た夢を、
正確に「夢記」として、書き続けた上人。
今もこのように夢記として残されているのは、世界中でもただ一つだと言われているそうです。
『明恵上人樹上座禅像』には、
自然と一体となれるほどの力強い主体としての上人の姿が写されています。

この本は生涯の愛蔵版として購入。
一生大切にしたいと思います。

2011年1月19日 14:45

副題として「ファージング」とつけられたシリーズの第1弾です。
イギリスを舞台にした歴史改変ものミステリで、
それを聞いただけでも、
お好きな人にはたまらないのではないでしょうか。

私はイギリスの階級社会を浮き彫りにするような読み物が好きで、
カズオイシグロの「日の名残り」を読んで、
面白くてたまらなかったクチなのですが、
このファージングシリーズも、
さまざまな階級の人々の語り口が楽しめます。
物語の筋はもちろん、
ひとつひとつのエピソードが興味深く描かれているのです。

パラレルワールドの話だと安心して読んでいると、
現代の世界情勢を厳しく批判するかのような内容になったりして、
背筋が寒くなるような恐怖を感じる場面も多々あります。
そんなこんなで一気にシリーズ3作を読んでしまいました。

2010年10月27日 14:31

なんだか最近ミステリ小説ばかり読みすぎてて・・・。
もう現実には戻れないっ!
という気分です。

この「沈底魚」は江戸川乱歩賞を受賞したという名作。
大物の沈底魚が、日本に潜っている。
亡命中国外交官による衝撃情報を受けて、
公安刑事たちの極秘捜査が始まる!
というワクワクドキドキ小説です。

警察小説なんかを読んでいると公安刑事というのは、
目つきの悪さだけが目立つチョイ役だったりするのですが、
この小説を読んでいると、その味方も変わるってものです。

そもそもアメリカのCIAもの小説なんかを読んでいていつも思うのは、
はて日本の国家機密は外交は、誰によって守られているのか?
ということなのですが、
この本でその辺がハッキリしたりするかも?です。
日本の公安も立派な面白いお話になると証明された作品です。

2010年9月 8日 16:30

数年前から、ブックオフで「ゴルゴ13」を買い集めています。
本当は新刊を書店で買った方が良いのですが、
揃っていない分を探すのが趣味みたいになってしまって、つい・・・。
かなり集まってまして、現在は140冊くらい揃ってます。

「ゴルゴ13」のファンは多く、
以前の某総理は「ゴルゴで社会勉強をしてる」とおしゃっていましたっけ。
かくいう私もそのくちで、
複雑怪奇な社会情勢、
とくにニュースでは見えてこない国際社会の趨勢などは、
もっぱらこの「ゴルゴ13」から学んでいます。
あぁ思い起こせば、これまで日本の経済を支える勇者たちが、
欧米の経済至上主義者たちの依頼によって、
何人ゴルゴの犠牲になったことか・・・。

それにしても最近のゴルゴって、
すこぉし「エエ話」の匂いがしません?
なんだか、柔になってるんじゃないのかな?

2010年5月31日 13:55

いやぁ、コレ、本当に面白い本でした!
是非是非多くの人に読んでもらいたい1冊です!

ニコラ・テスラ(1856-1943)は、電気技師、発明家として、
かのエジソンと並んで活躍した大天才のひとりです。
ナイアガラ瀑布の発電所を開発した人であり、
かの地にはその銅像も建っています。

でもでも世間でニコラ・テスラの名を聞くとき、
そこにはダークなマッドサイエンティストの響きが・・・。
なんてことを検証すべく立ちあがった著者の研究の集大成とも言えるのが本書なのです。

空中放電の実験で、電気の妖しい魅力をプレゼンする科学者。
交流と直流のシステムの対立。
無線で地球規模の送電を可能にする世界システムの構想。
無線で動くロボットの構想。
CIAも秘密にしたがった研究資料。
などなど怪しげな行動や噂の数々が検証され、
ニコラ・テスラの天才ぶりがあますところなく論証されます。

なかでも印象深いのが、
ニコラ・テスラ本人が数々の天才的な発明の出所として、
「自分は受信機としてそれらを明らかにする役目を負わされているような気がする」
と語るところ。
凡人にははかりしれない天才の苦悩をかいま見たよう気がして、
少し背筋が寒くなりました。
その苦悩あったればこそ、我々がはかりしれない恩恵を受けていること、
それを素直に感謝したいと思いました。

2010年3月 3日 16:32

2008年版「このミステリーはすごい!」1位となった作品です。
昭和20年代から三代にわたって警官となった男たちの物語です。

何がスゴイって、安い警察小説と違い、英雄が一人もいないこと!
好きなんですよねぇ、英雄不在の小説って。
昭和の暗い部分を描き、そのなかで地道に生き続けた家族の歴史には、深みと重みがあります。
が、考えてみればこれって、みんなの家族が通ってきた道でもあるわけで・・・。
そう考えると、ひとしおな訳です。

身近な歴史には、英雄を見つけづらいものです。
でもこういった素晴らしい小説を読むと、地味な、普通の人々のなかにこそ、英雄が隠れていることを知り、胸が熱くなるものですね。

2010年3月 3日 16:15

著者はお茶の水女子大学の名誉教授で、英文学のほかにエディターシップ、思考、日本語論などの分野で、独創的な仕事を続けておられる方であります。

思考を寝かせ、発酵させて、あらたな発想作りに至るまでの経緯を、整理して述べてくれています。
独創的な発想を!などとお題目を唱えるごとくにおしつける教育法とは異なり、とても実践的で、ありがたい整理学であります。

30年近く前の著書だそうですが、グライダー人間なんて言葉、斬新すぎませんか?
今後も深い問題意識を持って、時間をかけて正していかなければならない、学校教育のあり方について、端的に述べた言葉だと思います。

2度3度と読んで、血肉にしていきたいものです。

2010年2月 8日 14:53

今日は『ミレニアム』です。
この作品は「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」の3部作として発表されています。
作者の構想としては5部まであったらしいのですが、第1部の発売前の2004年に作者が心筋梗塞でなくなってしまうという悲劇が。
私は現在、3部を読み始めたところなのですが、今から「う~、次が読みたい」と歯ぎしりしているくらいです。残念。

主人公のキャラクターがとても大胆で、それもそのはず、あとがきによると「長くつ下のピッピ」のピッピがイメージにあったとのこと。
最近スウェーデンの国民的作家リンドグレーンの大姪にあたる作家カーリン・アルヴテーゲンの小説を読んだばかりで、その面白さにリンドグレーンの作品を懐かしく思い出していたところなので、この「ミレニアム」もかなり面白く読みました。

そろそろリンドグレーンの作品をまとめて大人買いする頃あいのような気がしてきました。きっと宝物になると思います。

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読書をこよなく愛する女。昭和生まれ。魚座。戌年。

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