ハプワース16,1924 J.D.サリンジャー
今日はサリンジャーでいきます。
サリンジャーといえば、2003年に村上春樹訳で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出版されました。
それまでの翻訳本は、野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』があったわけです。
私はこのどちらも愛読しています。
洋書も持っているので、これで3バージョンの「キャッチャー」が揃っているわけです。
スゴイですね~。
けっして飽きさせません。
で、今回は『ハプワース16,1924』(荒地出版社、原田敬一訳)です。
これは『ナインストーリーズ』などに登場するグラース家のシーモアが、語りに語る物語です。
文中でシーモア本人も嘆いているように、
ホントにどこまでも感情過多で、大袈裟な文語的表現には、
いいかげん涙がでてきます。
このシーモアの極端な言い草を読んでいると、
哲学者の下手クソな文章を読んでいるときに感じる切なさを思いだします。
私はだいたい哲学書をよむときには、涙を禁じえないのです。
その思考を志す熱い心に胸うたれ、
自分が人生をかけて気づいたこと、
そんな大切なことを、
よりによって苦手な(?)文章で表現しなければならないことに、
机の前でもだえ苦しむ哲学者の姿を、
つい想像してしまうからです。
シーモアもどこかで、
キルケゴールの文章について言及していたはずです。
詩人ではあるけれど哲学的な思考を好むシーモアなのでしょう。
ともかく、涙あり笑いありのサリンジャー。
シーモアの生き様を、とくとご覧あれ。
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