雨月物語 上田秋成
こたびは「雨月物語」でゆきまする。
序にあるとおり、
「雨は霽れ月がは朦朧の夜、窓下に編成して、以て梓氏に畀ふ。題して雨月物語と云ふ」
であります。
私は夜の散歩をよくします。
家の近所に理想的な交差点があり、そこにかかる歩道橋には理想的なベンチがあるので、
座って車の流れを目で追ったり、たまに夜空を見上げたりもします。
雨上がりには空気が澄んで、ことのほか気分のよいものです。
そして朧月がみえる夜には、何かが起こりそうな気配を感じます。
先日惜しくも亡くなられた忌野清志郎さんも永遠に歌いつづけるように、
雨上がりの夜空の月は特別な存在なのです。
雨月物語のなかで、
雨がやみ、月がでて、くるぞくるぞ、というワクワク感がたまらなく好きです。
義の心や、夫婦の想いの切なさや、おどろしさよりも、
その透明感のある文章の美しさがきわだって、物語が胸にせまってきます。
未読の「春雨物語」も楽しみです。
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