雨月物語 上田秋成
こたびは「雨月物語」でゆきまする。
序にあるとおり、
「雨は霽れ月がは朦朧の夜、窓下に編成して、以て梓氏に畀ふ。題して雨月物語と云ふ」
であります。
私は夜の散歩をよくします。
家の近所に理想的な交差点があり、そこにかかる歩道橋には理想的なベンチがあるので、
座って車の流れを目で追ったり、たまに夜空を見上げたりもします。
雨上がりには空気が澄んで、ことのほか気分のよいものです。
そして朧月がみえる夜には、何かが起こりそうな気配を感じます。
先日惜しくも亡くなられた忌野清志郎さんも永遠に歌いつづけるように、
雨上がりの夜空の月は特別な存在なのです。
雨月物語のなかで、
雨がやみ、月がでて、くるぞくるぞ、というワクワク感がたまらなく好きです。
義の心や、夫婦の想いの切なさや、おどろしさよりも、
その透明感のある文章の美しさがきわだって、物語が胸にせまってきます。
未読の「春雨物語」も楽しみです。
関連記事
- 先送りできない日本 "第二の焼け跡"からの再出発 池上彰
- 久しぶりの新書です。 さすが新書だけあって、執筆中に東日本大震災が発生。 取材、...
- 帝都幻談 荒俣宏
- 先日ケーブルテレビで、 1988年に公開されたSF映画「帝都物語」を初めて観まし...
- お金の流れが変わった! 大前研一
- とても読みやすく、グイグイと引っ張られる文章は流石です。 しかも前から不審に思っ...
- 新宿鮫 大沢在昌
- 大極宮でお馴染みですね。 京極夏彦、宮部みゆき両氏の作品は新作がでれば即購入して...
- その数字が戦略を決める イアン・エアーズ
- 本書はデータマイニングの手法や、その利用法についての本です。 とても分かりやすく...
- さすらう者たち イーユン・リー
- 短編集「千年の祈り」で沢山の感動をくれたイーユン・リー初の長編小説です。 その静...
- Another 綾辻行人
- あの「十角館の殺人」の綾辻さんが、 またやってくれましたぁ。 ちっくしょ~! 面...
- 千年の祈り イーユン・リー
- 簡素な文体で世界を美しく見せてくれる、 素敵な短編集です。 作者は1972年北京...
- O・ヘンリ短編集 O・ヘンリ
- またも短編集です。 大久保康雄氏訳の新潮文庫短編集1です。 これまたスッゴク面白...
- 天切り松 闇がたり 浅田次郎
- 食わず嫌いだった浅田次郎作品にはまって数か月。 このところ読みまくっています。 ...